美術装置実績ギャラリーでご覧いただく作品が[完成品=表舞台]だとしたら、こちらは[途中経過=舞台裏または楽屋]です。華やかな表舞台の裏では、必ず楽屋での入念な準備がなされています。
美術装置 大道具 小道具を舞台や撮影の本番に送り出す「セントラルサービス」の舞台裏。その製作進行過程をご覧ください。
素材や形状別に各種、↓下のテキストリンク↓からお選びください。
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あるロックグループのツアーパンフレット撮影用に大小の歯車を作りました。
素材は発泡スチロール、塗装は水性の金、銀にエイジング処理です。
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何事もまず図面から。
先方の希望を聞いて自分なりの製作図面を描きます。
サイズはもちろん、後の作業工程、作り勝手まで考慮して描きます。
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材料を調達した後はベニヤ板を切り出します。
幾何学形の場合は型板に合わせてニクロム線を通して行くので、この段階で少し手間がかかります。
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型板は各パーツに二枚づつ必要です。
板のエッジにアルミテープを張るのは熱保護のため。
ベニヤ板のままだと熱で食い込んでしまいます。
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切り出されたパーツがこれ。
大きな物を作る時は分割して切り出して後で張り合わせます。
先に大きな固まりにしてから切り出す場合もあります。
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小振りな歯車の方のパーツも切って、これで切り出し終了です。
この後、修正のパテ埋めをしてサンドペーパーで表面を仕上げていきます。
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現場では、これを浮かせて撮影するという事だったので、吊るための取っ掛かりの材木を重心の位置に埋め込みました。
ピッタリ埋めるのが技術です。
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大きな歯車にリム部分のパーツを張り付けます。
こういう形状の物は別作りして張り合わせた方が、きれいに早く作る事ができます。
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左右のパーツを合体させて、リベットに見せた発泡スチロールの半球を付けると、大分それらしくなってきました。
全工程の半ばを過ぎた感じです。
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小振りな方も合体させてリベットを付けます。
リベットは半分に切った後、少し削って背を低くしてあります。
撮影物は細かい所にも気を使います。
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上下段を合体させて、ロゴ文字も仕上がり、これで下ごしらえは終了。
最後にもう一度サンドペーパーで仕上げた後、塗装に入ります。
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一方では大歯車にロゴ文字を取り付けようとしています。
ロゴは少しでもバランスが崩れると大変。
慎重にサイズを取って張り付けます。
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下塗りに入りました。
撮影物は一回限りの使用なのであまり強度は重視しません。
最低限の強度保証として外壁材に色を混ぜて塗っていきます。
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撮影終了後は引き下げるつもりでいた処、ステージでも使いたいと言われて納品する事になりました。
ツアーの間持つかどうか少々強度が不安です。
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大歯車も下塗り終了です。
物撮りの撮影物の場合やはり手塗りが一番。
細部のテクスチャーにまで気を使って塗装します。
ゴールが見えてきました。
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小歯車は水性塗料で銀色に塗ります。
つやつやと輝いてこれはこれでとても良い感じ。
でもこの後古びさせていきます。
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大歯車も水性塗料で金色に塗ります。
これも良い感じに塗れたのですが・・・でも、やはりこの後古びさせていきます。
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汚しをかけて古びさせたら重厚感が増しました。
また、これはこれで良い感じ。
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こちらも古びさせました。
重厚です。
さあ、これにて作業終了。後は完全乾燥を待って梱包してトラックに積み込むだけです。
お疲れ様でした!
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スタジオでの撮影時のひとコマです。
吊りワイヤーの線は後でPCで消します。
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