美術装置実績ギャラリーでご覧いただく作品が[完成品=表舞台]だとしたら、こちらは[途中経過=舞台裏または楽屋]です。華やかな表舞台の裏では、必ず楽屋での入念な準備がなされています。
美術装置 大道具 小道具を舞台や撮影の本番に送り出す「セントラルサービス」の舞台裏。その製作進行過程をご覧ください。
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ミュージカルの舞台装置(工事現場)の吊り物飾りとして、崩れたコンクリートからムキ出た鉄骨を作りました。L:400cm H:50cm
中身となる鉄骨は、材木で作る方法も有ると思いますが、今回はすべてスタイロフォームで作ってみる事にします。
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50mmと25mmのスタイロフォームの板を切り出し、丸穴を開けてから接着して、基本となる鉄骨の形状を作ります。
解体作業で破壊されたように見せるため、端を崩れさせておきます。
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形状が完成してから一遍に塗るやり方も有りますが、今回は中身の鉄骨と外側のコンクリート部分とを別々に塗る事にしました。
いつものように、テクスチャー材を混ぜた黒色の外壁材を荒らして塗っていきます。
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これもいつもの事ですが、強度保障を兼ねて二度塗りです。
スタイロフォームは、発泡スチロールより面が荒いので、微細な塗り残しに注意しながら塗っていきます。
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下塗りの乾燥後、ドライブラシで赤さび色を付けて行きます。
当然の事ですが、壊れた部分を強調してサビさせます。
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コンクリートの部分もスタイロフォームで作ります。
先に作った鉄骨部分との連結が、強度まで考えると結構難しい。
う〜ん。もしかしたら中身の鉄骨は、材木で突き通して作った方が良かったかもしれない。
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と、済んだ事を考えてもしょうがないので、何とか強度も保って連結しました。
この後の工程の前に、鉄骨との連結部分の境目を、筆で丁寧に塗り分けて行きます。
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コンクリート部分を壊れたように崩れさせていきます。
いつも発泡スチロールでやっている事なのですが、素材が違うと何となく勝手が違って、少々やりにくい感じです。
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ともあれ、何とか削り作業も終わり、吊り天に木片を頑丈に埋め込んだ後、グレーの外壁材を塗っていきます。
結構深く削ったので、塗料が奥まで入りにくく、少々手間取りました。
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こちらも二度塗って、下塗りの完成です。
スタイロフォームは発泡スチロールに比べて、塗料を塗った時の乾きが遅い。度々乾き待ちで、他の作業に手を移すことになります。
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乾燥後、シャドウとハイライトを入れ。サンドペーパーで擦って荒れ肌の質感を強調します。
サンドペーパーの擦り具合によって、コンクリート肌や崩れ部分の味が違ってきます。
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仕上げに茶色や緑色のスプレーを微妙に吹いて、さらに味を付けます。
これで完成。後は現場での仕込みを待つだけです。
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コンクリート崩れ部分末端の拡大。
この辺りは、手を入れれば入れるほどキリが無い感じで、いつも何処までやるか悩む処。
今回も多少心残りながら、これにて完成としました。
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劇場での本番の写真。
さて、皆様の御評価や如何に?
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